PIALEカゴやPIALEウキは、実釣において以下の遠投カゴ釣りをした場合を想定して作られている。
・飛距離 100m
・タナ 25m
・ライン 6号(両軸リールの場合)
・海水塩分濃度 4%
キャストする際のホームを構えたとき、投法にもよるが、通常、竿からの仕掛けの”たらし”は、短いほど竿の振り幅がとれるため有利。
PIALEカゴやPIALEウキ、そしてPIALE天秤は、必要最低限の長さに設計されている。
よって長いウキなどでは不利となる。
キャスト時の竿から仕掛けが放たれる時、カゴや天秤は後方から前方に向かい、放たれる瞬間に180°反転する。
意外とその際の空気抵抗は大きく、カゴや天秤の大きさや形状で影響する。
PIALEカゴは飛行中や水中の抵抗ばかりではなく、反転の際の影響も考慮して細身のフォルムに設計されている。
このことは、例えばカゴに羽根を付けると飛行中安定はするが、この反転抵抗での飛距離ロスの方が大きいと考える。
これはレスキューにおいても同様で、もしウキのような羽根を付けてフルキャストした場合、直後に分解してしまうほどの抵抗がかかる。
また、天秤においてもハリスを付ける枝も長いと影響するため、PIALE天秤の枝は短く設計されている。
ウキは”カン”で留めてあるため反転しないので、その抵抗はない。
仕掛けが放たれた直後、両軸リールでは回転数は最大となり、宿命とも言える最初のバックラッシュの危険がある。
投げ方の問題も大きいが、仕掛けとしてバックラッシュを起こす要因としては、やはりカゴやウキの空気抵抗がある。
特にウキの形状は影響が大きく、ボディーの途中でくびれていたり、後方が細くならず途中でバッサリとカットしたようなタイプでは起こしやすくなる。
最初のバックラッシュを凌いだ仕掛けは、勢いよく上昇して行く。
その際、カゴはオモリ、上カゴ、下カゴ全て前方にスライドしている。
ウキはハリスにかからないようやや遅れながら付いて行く。
このとき、ウキが空気抵抗の大きなものや、バランスが悪いウキの場合、カゴから異常に離れてしまうことがある。
極端な場合、ウキ止めまでガツンと当たってしまう場合も見られ飛距離は伸びない。
逆にウキが重かったり重心が前過ぎる場合、カゴに接近し過ぎてハリス絡みを起こす危険がある。
そして、放物線を描きながら上昇から下降へと転じ始めると、徐々に離れていたウキがカゴに近づいて行く。
下降の際もきれいな放物線を描いて落下していくが、リールからのラインの放出抵抗が大きいとき、例えば両軸リールなら遠心力ブレーキの効き過ぎや、レベルワインダーを締め過ぎた場合、仕掛けが失速して飛距離が伸びない。
また、空気抵抗の大きいカゴやウキを使用していた場合は、ラインの放出の方が勝ってしまい再びバックラッシュの危険に遭遇する。
通常はキャスティング後、カゴとウキは付かず離れずの距離を保ち飛行し、降下し始めると今度は徐々にウキがカゴに接近して行く。
着水直前にはハリスに絡まない程度まで接近する。
ただし、これは天候やキャスティングの癖などにより様々に変化する。
いよいよ着水となりその瞬間仕掛けにブレーキがかかるが、リールからのラインの放出もその一瞬は止めなければならない。
このとき水中への入射角度が水面に対して鋭角だった場合、一旦着水したカゴが水面から飛び出してくることがある。
そして、カゴからコマセや付けエサも出てしまう可能性がある。
これを防ぐには、やはり仕掛けをライナーぎみに投げないことが肝心。
そして、着水後タナまでのカゴの状態は、オモリは下に出て、上下カゴは水圧で上にスライドする。
浅ダナの場合は問題ないが、25mなどの深ダナだった場合は、タナに着くまでかなりの時間を要する。
混雑時には流されて、他の釣り人の邪魔になってしまう場合がある。
PIALEカゴの特徴として、カゴの降下中、下カゴが上にスライドしてもオモリとの間に隙間ができないため、水中に於いても抵抗が少なく降下スピードが速い設計になっている。
タナに到着すると水面にあったウキは安定し、カゴの動きとして、上カゴは浮力材が入っているのでそのまま上方に留まり、下降水圧の無くなった下カゴは下にスライドしてカゴが開いた状態になる。
そして、ハリスが上から降りきるのを待って、竿をしゃくり、コマセを放出させる。
次に仕掛けを回収する場合、一般の仕掛けではリールの巻き取りが重く、何度も回収すると遠投・深ダナの場合それだけでかなり疲労する。
PIALEカゴについては、回収時の抵抗も抜群に少ない設計となっているので、その違いは他と比べていただければ実感できるはずである。
PIALEカゴ釣り仕掛けは、超遠投・深ダナで最高の威力を発揮するよう設計しているが、もちろん浅ダナでも、遠投しなくても問題はない。
超遠投が可能であれば、今まで誰も投げていない領域までポイントを探れることができる。
PIALE超遠投カゴ釣りアイテムは、それを目指すアングラーのための最良のアイテムになっている。
PIALEカゴの号数表示は、カゴに使用されているオモリの重さ。
15号カゴであれば、1号は3.75gなので、3.75g×15で約56gとなる。
水中でのカゴ全体の重さも55gで、おおよそ同じ。
水中での重さは、その日の塩分濃度や、タナまでの深さの違い、遠投されたライン等の負荷も加わるため、あくまでおおよその重さとなっている。
ただし、地上でのカゴ全体の重さは約90gとなっている。
ウキはカゴと同じ号数の使用で、最適な浮力が得られるよう設定されている。
PIALE製品は基本的に一人による手作り製品である。
これは、精度は基より、微妙なバランスや、場合によっては、そのときだけのクリアランスが必要だからである。
最終的に満足いく製品に仕上げるためには機械による量産に頼らず、肝心な部分の分業は避けるべきであると考える。
しかしそれは作業工程が増え、製作時間もかかることになり、コストや在庫の数量に大きく影響する。
しかし敢えてその方法で行うのは、やはり完成度の高い満足いく素晴らしい製品を作りたいと言う一心である。
実釣経験から学び、市場に求めるものが無かったことからいろいろなアイデアを具体化し、実験し、膨大なテストを重ね作り上げたもの。
決して他の真似ではないオリジナル製品と自負している。
このようにして作られた製品は、超遠投カゴ釣り師の方に使っていただければ、その違いが判っていただけるものと信じている。
ほとんどの製品は、完成後は分解ができないため、修理ができません。
ご理解、ご承知おきの上、ご購入くださいますようお願い申し上げます。
※製品の仕様は予告なく変更される場合があります。